2011年3月30日水曜日

これだけは知っておきたい中国 SEM 事情 Vol.6――中国 EC 激戦区での生き残り方

日中のネット業界においてサプライズなニュースとなった、楽天と百度による中国 EC の合弁会社設立。これに刺激を受けて、いま中国 EC 市場では次々と新しい動きが起こっている。今回は SEM とも密接な関係がある、中国 EC 戦略のポイントを最新動向を交えてお伝えしたい。

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■年々倍増で急拡大する中国 EC 市場 FF11 RMT

09年の中国 EC 市場規模(BtoC+CtoC の総額)は2,483.5億元。日本円に換算すると約3.2兆円で、NRI が試算した日本の BtoC 市場規模6.5兆円と比較してもまだ2分の1程度だ。

しかし注目すべきはそのユーザー数と拡大スピード。2007年から毎年市場規模を倍増させ、2009年も前年比93.7%増、ユーザー数で約1億人に達し、さらに2013年には市場規模が1兆元
(約13兆円)の大台に達すると見込まれている。

■各サービスの雄が次々参入
こうした市場拡大を牽引しているのが、圧倒的なユーザーを抱える阿里巴巴(Alibaba)グループの淘宝網(Taobao)。淘宝商城という BtoC ショッピングモールでは世界各国のメーカー、ブランドが軒を連ねている。

これに対して BtoC では、米国ファンドから10億元(
約130億円)もの巨額出資を受け躍進する家電 EC の京東商城(360Buy)のほか、アマゾン傘下の卓越(joyue)、米国ファンドやソフトバンクも出資する当当網(dangdang)なども伸びている。

CtoC では淘宝網のほかにも、メッセンジャー QQ の大規模ユーザーを保有する騰訊(Tensent)が運営する拍拍網(PaiPai)、eBay と香港 TOM 在線の合弁?TOM 易趣、百
度が運営する有ア(Youa)(アは口偏に阿)などがメインプレーヤー。

この激戦区に新規参入となるのが、日中タッグとなる楽天?百度の合弁会社、そして中国最大の SNS 人人網が淘宝網、京東商城などとの連携でローンチしたソーシャルコマース?人人愛購(RenRen)、ポータルサイト新浪(Sina)が運営する新浪商城など。またサービスとしては、BtoB の阿
里巴巴が卸売り専門1688.com を開設、京東商城がアパレルの千尋網を買収するなど、新たな動きも活発化している。

■特性を掴んで臨機応変な戦略を
中国 EC 市場で成功するには、商材選定や価格設定はもちろんだが、こうしたさまざまな EC サイトやモール ASP をターゲットや商材に併せて使い分けつつ、集客ツールとして最適な SEM やツールを活用す
ることが重要だ。特に思い切って中国の EC モールに出店はしたものの、なかなか売れ行きや引き合いが伸びてこない場合は次のポイントを活用いただきたい。

1つ目は、モール内検索への対応。例えば淘宝網では、商品数の多さから商品が埋もれがちだが、サイト内検索においてクリック課金方のキーワード連動広告「淘宝直通車」が用意されており、予算次
第では埋もれてしまった自社商品をしっかりと露出させることができる。

2つ目は、ツールを活用した CS(顧客満足)対策。大手 EC サイトはすべて QQ や阿里旺旺などインスタントメッセンジャー、チャットツールを導入しており、ほぼフルタイムでの即時対応を行っている。この点は日本の文化と異なるため躊躇しがちだが、実際に顧客の安心感に繋がって
おり、注文のクロージングやクロスセルにも多大な効果を与えていることを認識しておきたい。

3つ目は、SEM による外部検索ユーザーの誘導。現在、一部の EC サイト、モールが特定の検索クローラなどを拒否しているため、2億人を超える検索ユーザーは、自然検索から商品やモールにリーチできていない。

対策としては、まず百度や Google(谷歌
)でどのような EC サイト、モールならインデックスされるのかを把握すること。その上でリスティング広告を活用してしっかりと導線を引いてあげることや、商品単体の LP(ランディングページ)を独自ドメインで用意し、訴求力ポイントを明確にしつつ、検索エンジンにしっかりとインデックスさせていくことがポイントとなる。

■変化に対応するものが
生き残る
中国で EC を成功させるには、サーバーなどインフラ、決済、物流など、まだまだポイントはたくさんあるためすべてを一朝一夕にとはいかないが、まずは商材やモールなどフレームワークをしっかりと整理して、プライオリティーを付けて対策を行うことが重要だ。

そのうえで、中国独自のマイクロブログやソーシャルコマース、モバイルコマ
ースの導入など、変化の激しい業界の動向にもしっかりと対応していく企業こそが、この激戦を生き抜き、成功を導くのだろう。

(執筆:株式会社アイレップ SEM 総合研究所 熊倉淳)

記事提供:アイレップ

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引用元:新·天上碑(Tenjouhi) 情報局

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